Lozenge Cross

鴇癸の現在進行中ブームな漫画やゲームの落書きとかSSを綴っております

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2006.12.10

ヒバ山(応接室編

バリ山です
マターリほのぼの話
なぜか応接室に通ってる山本君です
*かるーくキスあり*

部活が終わって皆が下校を始める頃、
彼はいつものように僕の元へやってきた
遠慮がちに応接室の扉を叩いて、
きちんと僕の返事を聞いてから入ってくる
今日は宿題を手にしていて
今は応接用のソファーに座って
少し低めの机に教科書やらノートやらを開いて
真剣な顔で睨めっこしている
僕はいつの間にか当たり前のように
なっている山本の行動を見届けると
机に溜まっている
書類の山の処理に取りかかった

時が過ぎるのは早い
西日がだいぶ強くなってきた
…眠い
山本は相変わらず宿題と対峙していた
僕は席を立って
壁際に置いてあるサイフォンで
コーヒーをいれることにする
壁の方に身体を向けて
コーヒーが出来あがるのを待っていると

「ヒバリ、あのさ…」

ふと、山本が声をかけてきた

「何?」

僕は軽く振り返って返事をしてやる
すると、山本は言いにくそうに目を泳がせながら

「ぇっと…ヒバリってさ、す、好きな奴とか…いるのか?」

と、言った

…本当に天然だね、君は

そんなこと聞くってことは
僕に気があるって言ってるようなものじゃないか

僕はカップを2つ用意してコーヒーをいれる
片手ずつそれぞれ持って
山本の座っているソファーに近づくいた
山本は少し顔を赤らめていて、
僕の返事を待っているようだった

そんな顔してると
からかいたくなってくるよ…

僕は山本の座っている机に
片方のカップを置きながら
うっすらと笑みを浮かべて

「いるよ」

と言ってやった
途端に山本の顔が凍り付く

わかりやすい…

山本は何か言おうとしていたが
僕はすぐ背を向けて自分の机に戻る
窓の縁に腰掛けて
改めて山本の方を見る
山本は少し不安そうな
落ち込んだ様子で僕の方を見ている
揺れる瞳を見つめて
僕はニヤリと笑った

「って、言ったら、君はどうするの?」

コーヒーを啜りながら
意地悪く問い掛けてやると
山本は驚いた顔をしてから
不満そうに頬を膨らませる

「なんだよ、それぇ…」

そこには確かに安堵の表情もあって
山本はへへっと笑って

「雲雀って、そうゆうのなさそうだもんな」

と、自分に言い聞かせるように言って
また、広げられた宿題に目を落とした

僕はその横顔をゆっくり眺めてながら
手に持ったカップの中の黒い液体を煽る

少年のあどけなさがまだ色濃く残る横顔
伏し目がちな眼は活発に動いて
鉛筆の先を辿る
時折カップに手を伸ばして
口を付けながら
白いノートを黒い字で埋めていく

と、その手がふと動きを止めた
山本は、むぅ…と少し唸って
眉間に皺を寄せる
芯先がノートの上をフラフラとさ迷って
色の薄い瞳が教科書とノートの間を行き来する
僕はカップを残っている書類のすぐ横に置いて
山本の方へ歩みよった

「どうしたんだい?」
「ヒバリぃ…この問題わかんねぇ…」

声をかけると
困ったような、縋るような眼で
僕を見上げて
教えてくれと訴えてきた

「仕方ないな」

山本の成績が芳しくないのは知っているし
そこで放っておくほど僕も鬼じゃない

でも…
彼は僕のこと好きみたいだし
ただ教えるだけじゃ
面白くないよね

僕はあえて山本の背後に回り
ソファーの背に手を置いて山本の顔のすぐ横から覗き込んだ

「どれ?」

ついでに、耳元に息がかかるくらいの距離で
低く囁いてやる
山本はびくりと身体を強張らせて
かあっと頬を染めた

「ぇ、えっと…これ…」

山本はもごもごと口ごもりながら
控えめに問題が書き写してあるノートの
右下の方を指さした

素直だね

内心かなり楽しくて
もっと苛めたくなる

「これはね…教科書の、ここ」

右腕を伸ばして指をさすついでに
左手をさりげなく山本の左肩に乗せた
触れた瞬間、山本は肩を竦ませる
緊張しているのがありありとわかった
僕はそんな山本には気付いていない振りをして
問題の解説を続ける

「山本君、聞いてるの?」

心ここに在らずといった風に
一点を見つめて固まっている山本に
僕はわざと不機嫌を滲ませて言ってやる

「へっ…!?ぁ…」

僕の機嫌を損ねることは
山本にとって重大な失態らしい
大袈裟な反応をして
それから、ばつが悪そうに
へなっと眉を下げる

「わ、悪ぃ…ぼーっとしてた…」

山本は反省しきりといった様子だ

「いいから、続き説明するよ」

僕はとりあえず仕切り直し説明を再開する

「ぅ、うん!」

山本は大きく頷くと
鉛筆を持ち直して
目の前に立ちはだかる問題を解くことに集中した

山本はヒントだけ与えれば
あとはスラスラと自分で解けた

やれば出来るんじゃないか…

「よしっ終わった!」
「お疲れ様」
「すっげぇ助かった。ありがとなっ」
「どう致しまして」

あれからもう2問程解くと
山本はぐっと伸びをして
満面の笑みを作る
僕は身体の向きを変えて
ソファーの背にもたれた
そこでふと、新たな悪戯を思いついた
せっせと帰る準備をする山本を振り返って
頭に浮かんだセリフをそのまま口にする

「ねぇ、君は好きな人いないの?」

教科書を鞄に入れようとしていた手が
びくりと反応して止まる

「ぇっ…とぉ~、俺は…そのぉ…」

顔を赤らめて、頬を掻く仕草が可愛らしい
視線を宙にさ迷わせて
チラリと僕を見る

「い、いるよ…好きなやつ…」
「へぇ、どんな人なの?」
「どんなって…ぇっと…」

ワザと困らせるために
わかりきった質問を投げかけると
予想通りの困り顔

「その人とは、仲いいの?」
「ぇ…いい、のかな。俺はそう、思ってるけど…」

矢継ぎ早に質問を重ねると
おどおどしながらもあやふやに答える
核心に触れるべきなのかどうか
迷っているらしい

ちょっと苛めすぎたかな

「…やっぱり君、可愛いね」
「!!」

僕は言いながら軽く唇を合わせた

途端に山本は
ぷしゅっと音が聴こえてきそうなほど
真っ赤になる
どこか遠い世界へ行ってしまったらしい

そんな山本を置いて
僕は学ランを羽織って
ドアの方へ向かう

「山本君、閉めるよ」
「へっ!?あ、ぅ、うん!」

声をかけると
山本は大袈裟に反応する
慌てて鞄を掴んで
出て行こうとする僕に走り寄った

これから、楽しみが増えそうだね
鍵を閉めながら
悪戯の方法を
こっそりと頭の中に並べた

(EOF)
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